試合へ送り出す前に、つい「今日は点取ってね」と言った。
言ったあとで、「これって期待しすぎかな」と気になることがあります。
子どもが頑張っていれば、活躍してほしい、試合に出てほしい、もっと上へ行ってほしいと思うことはあります。
期待そのものをなくす必要はありません。
一度分けたいのは、「親がそうなってほしい」と「本人がそうしたい」です。
「レギュラーになってほしい」は、まず親の願いとして持つ
レギュラーになってほしい。選抜へ挑戦してほしい。もっと強いチームへ進んでほしい。
どれも、親が思うこと自体はできます。
ただ、その願いをそのまま「次の目標」にすると、いつの間にか本人が決めたことのように扱ってしまうことがあります。
まず「これは自分の願いだ」と親側へ戻しておく。それだけで、子どもへ渡す言葉は少し変わります。
本人の目標は、聞いてみないと分からない
親は出場時間を増やしてほしいと思っていても、本人は今の仲間と続けることを大切にしているかもしれません。
逆に、親が「まだ早い」と思っていても、本人は選抜や上のカテゴリーへ挑戦したいことがあります。
進路や挑戦を決める前に、「どうしたい?」と一度聞く。答えがすぐ出なければ、その場で決めさせなくても構いません。
試合の結果を、親の期待の答え合わせにしない
「今日は点を取ってね」と言った日に点が取れなかった。
そこで帰り道まで「もっと前に出ないと」「次は決めないと」と続くと、親の期待がそのまま試合後の評価会になりやすくなります。
試合が終わったら、いったん結果から離れる日があっていい。本人が話し始めたら聞き、話さなければ普通の家族時間へ戻す。
試合後の会話は、「試合後、何を言えばいい?」で別に整理しています。
選抜や進路は、「申し込む前」に本人へ戻す
周りが選抜を受ける。強いチームのセレクション情報が届く。進路の話が出る。
こういう時ほど、親の情報収集がそのまま本人の予定になりやすくなります。
情報を集めるところまでは親ができても、「受ける」「移る」「続ける」は本人の意思を確認してから。親が先にルートを一本へ決めないようにします。
応援は、結果を求めること以外にもできる
親ができることは、目標を設定することだけではありません。
- 送迎や用具など、必要な準備を支える
- 本人が知りたい選択肢や期限を伝える
- 相談されたら一緒に考える
- 本人が自分で決める時間を残す
JFAの「PLAYERS FIRST!」も、育成年代を子ども中心に考える方向を示しています。若年アスリートの動機づけを扱った系統的レビューでも、自律性を支える関わりなどが関連する要素として整理されています。ただし、家庭や競技によって違いがあり、一つの声かけで結果が決まるという話ではありません。
他の子を見て期待が強くなったら、いったん比較を外す
「あの子は選抜に入った」「同じ学年なのにもうレギュラー」。比較から期待が膨らむこともあります。
そんな時は、他の子の結果ではなく、前の本人、今の本人、本人が望んでいることへ戻します。
「他の子と比べてしまう」では、この場面をもう少し詳しく整理しています。
強い苦痛があるときは、「期待を減らす」だけで終わらせない
スポーツの前後に強い不安が続く、眠れない、学校生活にも影響する、本人が明確に苦痛を訴える。そういう状態なら、単に「親が期待しすぎたかな」で片づけないことも必要です。
本人が信頼する大人、学校、チーム外の相談先なども含めて、必要な支援を考えます。
期待をなくすより、誰の目標かを確かめる
活躍してほしいと思うことはあります。
でも、親の願いと本人の目標は、同じとは限りません。
「こうなってほしい」と思ったとき、一度だけ「これは誰の目標だろう」と確かめる。その習慣が、期待を本人の義務に変えにくくします。
関わり方全体に迷う場合は、「スポーツをする子に親はどこまで関わる?」、試合中の指示が増えている場合は「つい試合中に口が出る」も参考にしてください。

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